「零。」



彼女は何か言いたげだが
俺はもう後には引けない。


更に強く抱き締めた。



「何も言うな。
そんな辛そうに
してるんだから
まずは落ちつけ。
俺だって
何も聞きたくないし。」



多分実際は
たいしたことないかも
しれないが、
めっちゃ長く感じる
時間分で落ち着くのを待った。



「零…
聞きたいことがある。
亮佑くんの彼女知ってる?」


やっぱりそういうことか。