「君、竜斗君って言うの?」

「…誰ですか?」

「おっと、警戒されてしまったようだね。」

そう言うと、男は名刺を差し出した。

「……ジャック・ジャスト事務所、本杉平次…?」

「ジャック・ジャスト、略してJJ。知ってるかな?男だけのアイドル事務所なんだけど。」

真っ先に口を開いたのは、亮太だった。

「JJって、あのJJ!?本物!?」

「嘘をつくわけがないだろう?本物だよ。竜斗君は、JJって知ってた?」

「…は……、はい。」

「よかった。なら、話は早い。今から君の家に行ってもいいかい?」

「え!?今から!?」

うそぉ…、なんで俺なんかに…?

「親の承諾がなきゃ、ダメだろ?」

「いや、そうですけど……。ってか、だいいち俺自身まだ何も……。」

「すげぇ!竜斗、スカウトじゃん!」

大はしゃぎの翔。

「一応、話だけでも聞いてみなよ。」

あれだけ怯えていた晋也は、すでに乗り気だ。

「…マジで…、マジで話聞くだけですよ?」

「!…じゃあ、今から行ってもいいんだね?」

「……まあ、はい。」

「ありがとう!」

本杉とか言うヤツは、すっかり上機嫌だ。

「やべぇ、友達がアイドルになっちゃったよ。」

翔…、気が早いって。

「まだやるなんて言ってないから!」

「まあまあ、とりあえず俺の車で帰ろう。みんな送るよ。」

「マジっすか!?ありがとうございます!」

亮太まで機嫌がいい。





結局、俺は気持ちの整理もつかぬまま、家へ帰った。