シオン

「花音ちゃんっはぁはぁ」



優くん・・・
事故になんなくてよかった

追いかけてきて
また父みたいに事故になったら







「花音ちゃん・・・今日はごめん
ほんとごめん」


優くんが駆け寄ってくる


「忘れてたの?」


「忘れてた・・・
今日、早く仕事終わったから
早く帰ろうとしたら

呼び止められて・・・」



優くん・・・

「ひゃっ」

何この手
私抱きしめられてる?


「優くん?」



「誰かの家で飲もう
ってなってなぜか俺の家になって・・・
そこまでは
約束ちゃんと覚えてたよ?」

「うん・・・」



「それで
無理やり酒飲まされて
騒いでたから
着信音聞こえなくて・・・」


「うん」


私の肩が濡れる
もう
濡れてるけど

優くんの温かい涙が
肩に落ちる