日野 詩紀(ヒノ シキ)
今年から高校一年生になったばかりな私。でも皆と違うのは、部活見学一日で部活を決めてしまったこと。

その部活は…

“図書局”

図書委員などは一般的なのに、この学校には部活としてある。
なんだか不思議だけどそれなりに楽しい。仕事は、無くてもトランプしたり部室で話をしたり。
それが楽しくて私は、たった一日で決めてしまった。

「詩紀も物好きだよね~」

『なんで?』

昼ご飯を食べながらケタケタ笑う目の前の親友、島地華南(シマチ カナン)
綺麗なロングストレートな黒髪にスラッとした身長の彼女が時々羨ましく思う。

「だって、無口で有名な裕紀先輩がいる部活だよ~?」

『で、でも私は部活の雰囲気で決めただけだもん』

「まぁ、詩紀が恋愛とか10年早いけどね」

華南はそう言うと卵焼きを一口で食べ、何処かへ消えてしまった。
華南は、カッコイイ彼氏がいる。
多分彼氏さんのところへ行ってしまったんだな…。
私は、そう思いながら卵焼きを食べた。