「お願いします。愛那手術費用を貸して下さい!何年かかっても、働いて必ず返します」
私は叔父さんに土下座してお願いした。
「あなた、どうかお願いします」
敬子叔母さんも一緒になって頭を下げてくれたけど、叔父さんの表情は険しいまま。
「うちに百万の金なんてない!敬子、お前だって知ってるだろ!?
リストラで中途採用された今の給料じゃ、俺たち夫婦の生活だってやっとなんだ」
「でも貯金が少しあるじゃないですか」
叔母さんが貯金の話をすると、ムキになって叔父さんは反論した。
「なけなしの貯金を果たいたら家のローンだって払えないし、下手したら飢え死にだ!
だいたい手術なんかしなくたって、今すぐ死んでしまうわけじゃないんだろ?」
私はその心無い言葉に思わず叔父さんを睨みつけた。
そんな私の態度が気に食わなかったのか、叔父さんはさらに言い捨てる。
「愛那を預かってやってるだけでも有難いと思え!」
「あなた!」
言ってはいけない酷い言葉に、叔母さんもさすがに声を大きくした。
私は泣くまいと必死の顔をしてその場から立ち去った。