診察室に叔母さんと2人で入る。
愛那の担当医は、レントゲン写真と心電図を見せながら説明してくれた。
「愛那さんの心臓の右心房と左心房の間にある壁に穴が開いています。生まれつきのものですね。
できるだけ早めに手術した方が良いでしょう。そんなに難しい手術ではありません。
若くて体力のある患者さんなら、回復も早いです」
説明を聞いて、目の前が真っ白になった。
「え、愛那の心臓に穴?心臓の手術をするんですか?」
隣に座る叔母さんが私の震える手を握っていてくれた。担当医は続ける。
「体力が落ちて負担に耐えられなくなってきた時、今度は血液が肺に戻らずに、酸素の少なくなった血液
が体に流れるようになります。そうなると、息切れやチアノーゼが出てしまい手術をしても完全には良くならな
いのです」

入院受付で手術費用の説明を受けた私は、案内の書類を見て気が遠くなりそうだった。
【一時負担金100万円】