「こんばんは~」
仕事帰りは手土産を持って愛那に会いに行くのが日課。
「真侑お姉ちゃん!」
「はい、お土産」
「わぁ~、ケーキだ。敬子叔母さん、今食べてもいい?」
「いいわよ。でも夕食前だから一個にしておいてね」

キッチンで愛那の中学での健康診断の再検査通知を敬子叔母ちゃんが見せてくれた。
「真侑ちゃん、これ…」
差し出された紙には、レントゲン直接撮影と心電図の呼び出しが記してある。
「心電図?何のために?」
私は見ても訳が分からなかった。
「兄さんたちの事故以来、愛那ちゃんは興奮すると過呼吸になることがよくあるでしょ。
やっぱり、一度ちゃんと診てもらった方がいいと思うの」
「風邪をよくひいたりするもそのせいなのかな?」
「それはちょっと私には分からないけれど、最近は特に体力が落ちてきてるような気もするし…」
居間でケーキを食べる愛那は、いつもとなにも変わりないように見える。
「とにかく明日、愛那ちゃんを連れて行ってくるから。結果が出たら、すぐ知らせるわね」