焦りは空回りし、何か気の利いたこと言わなきゃ!と思えば思うほど、言葉は出ずに笑顔は引きつった。
その日はちっとも指名・売上をあげられなかったどころか、ヘルプで付いた嬢に「役立たず!」と罵られた。
落ち込みが頂点に達して、トイレの個室で泣いて出られなくなってしまう。
「早く辞めたい。早く、愛那と幸せに暮らしたい」
鬱状態の私を個室の外から玲実が慰めてくれた。
「今日は一緒に帰ろう?たまには飲みに行こうよ。奢るからさ」

玲実はホストクラブに連れて来てくれた。
『ダイヤモンド・ダスト』は、白を基調とした清潔な店内に煌びやかなシャンデリアが眩しく、あまりのゴージャスさとホストクラブに初めて足を踏み入れたことで、店内をいつまでも見回す私。

『ダイヤモンド・ダスト』で、私は晶生〈アキ〉に出会った。