恋色和音




「遅れてゴメンな、ほんとに」


先生は体の前で手を合わせて私に謝る。


「だいじょーぶです」


遅れてきたはずなのに、笑顔を浮かべられるのは、やっぱり好きな人だからなのだろうか。




「じゃあ、今日は俺の相談だよな」



そう言われた途端に、麗奈の言葉が浮かんでしまった。