「先生、」


私は、夕日から目を移して、真横にいる先生のことを見つめた。


まだ、眩しさが瞳の中に残っている。


「...私のこと、聞いてくれますか?」


先生のことだって、聞きたかった。


先生に、もう悲しい顔なんてしてほしくなかった。


――...だけど、それと同じくらい。


自分の悩みも、聞いてほしかった。