恋色和音





――...やっぱり、すごく、切なそうな瞳。


「先生の今の気持ち、私分かる気がします」


「え......」


先生は、驚いた声を上げて私の方を見た。


「私も、今同じことで悩んでいるから......」


――似ているから、先生と。


「そう、なんだ......」


そう。先生と、同じことで。


相手は違っても、同じ悩み。

人との付き合いという悩みが、私の心を何よりも灰色に染めている。