恋色和音






「先生は、何してるんですか?」


私の声に、少し体をビクリと強張らせて先生はこちらを向いた。


「.......木島か、驚かせないでくれよ」


先生はさっきの表情なんて何処かへ消し去ってしまったかのように私にいつもの優しい笑顔を浮かべた。



「で、何してたんですか?」


私は、改めて先生にそう聞いてみると、一瞬曇った表情を見せてから、先生はまた窓の方に視線を移した。