私は、菊川君の大きな手に引っ張られて、先生の元へと向かった。 繋がれた手に、胸がきゅっ、となって。 ドキドキして、すごくあたたかい気持ち。 この気持ちをなんて言うんだっけ? ――何処かで、出逢ったような気がしてならなかった。 「ちょっと待ってよ、菊川君!早すぎるよ!」 ―――...きっと、それは。 あたらしい音色が奏でられる、 始まりの合図。 end