恋色和音




「菊川、くん......?何で.....」



菊川君、だった。



「朝会で整列させるとき、いつも聞こえるはずのあんたの声が聞こえなかったから」


「え.............」


朝会のとき、私はいつも学級委員として遅く来る人たちに注意などをしていた。


ちゃんと、見ててくれているんだ。


「―――...だから、保健室だろうと思ってきてみた」


「あの、菊川くん......」


私は、少し困った顔で菊川くんに言った。


だって、菊川くん、私のベッドの横にある椅子に躊躇いもなく普通に座るから。