先生との相談をした日から数日が経ったある日。


その日は、信じ難い噂が流れていた。


「ねえ、橘先生が教職を辞めちゃうって本当!?」


「やだあーっ、好きだったのにー!」



移動教室の帰り、廊下ですれ違った女の子達からそんな噂を耳にした。


――――ドサッ


手に持っていた音楽の教科書やリコーダーが私の足元に落ちてしまった。