恋色和音



「え、大丈夫だよ、麻奈美のこと近くでまじまじ見なきゃ、皆気づかないって」


そうやって気遣ってくれる麗奈は、やっぱり優しいって思う。


「ありがと」



麗奈と登校時に話したのは、それくらいだった。


沈黙が続いていたときに、ぼんやり考えてみたんだ。


何時になったら、悲しみは消えてくれるんだろう、なんて。