「はぁはぁはぁ・・・」
めっちゃ全力疾走したおかけで遅刻はまぬがれた。
てか走れば10分で行けるんじゃん!
あたしは何だかルンルンになった。
自動販売機で買った缶コーヒーを飲みながら席に座った。
あたしは高級なコーヒーより、
自動販売機で売ってる缶コーヒーの方が好き。
甘くて香りが好き。
「陽那~?新学期から顔が引きつってますけどぉ?」
あたしに話しかけてきたのは、
明るく天真爛漫の松井優里(まついゆうり)。
あたしの前で上から目線ーっ!
「あぁ~!優里こそっ。夏休みに
彼氏できたからテンションあがってるくせに~!」
優里は顔が真っ赤になった。
やりぃ~!
そうそう。優里が彼氏できたことはクラス中知っていて、
美人な優里を狙ってた男子は数人いたとかで、一時期すごかった。
「陽那もさぁ、そろそろ恋したらいいじゃない。ねぇ?」
あたしは下を向いた。
「・・・・でも」
あたしはつらい恋をした。
だれもが経験したことがあるだろうが、
あたしにはそれが辛すぎて我慢できなかった。
だから自分に誓った。
「もう恋なんてしないの。
優里が一番よく知ってるでしょ?」
(あたしの過去が知りたい方はこの作品を呼んでってね?)
「うんっ!知ってる~!」
『うんっ!知ってる~!』って
そのテンション空気的におかしくない?
優里・・・まさかのKY?
「おーい!おーい!」
だれかに呼ばれてる気がする。
まぁいいや。
何だろう?このさわやかに香水の香り。
癒される。
レモンの様なバニラの様な。
子供にはちょっときついけど、
こういう香り嫌いじゃないな。
「あいつ、ヤバくね?」
なんかざわめき声がする。
目を開けてみると、
そこには腕を組んで仁王立ちしてるスーツの人が・・・。
「だ、誰!?」