~数時間後~

「行って来る」

そう言い残し、櫻井翔は独房から出ていく。

誰かに…

自分の本音を、本気な心で聞いてもらったのは、初めてだった……

その時…

初めて…

本気で諦めたくないと思った…。

あたしの無罪を主張したくなった…。

お姉ちゃん………………お願い………………

つかまる前に自首して…?

罪を償って…?

あたしは、お姉ちゃんのこと………………恨んでなんかないよ?

綺麗事に聞こえるかもしれないけど……………本当に。

ずっと………………信じてるよ…………?



~1ケ月後~

あれから、櫻井翔は、一度もきていない……

あたしのタイムリミットは迫っていて…

最後の対談が増えた。

友達………親………先生………

みんな、あたしのことを信じてくれてる。

「ありがとう」

あたしは対談の最後に、必ずこの言葉を言った。

死んでからじゃ遅い。

伝えたいことは、すぐに伝えないといけない。

あたしは、いつも実感している……

そう…

あの日から…







そして、運命のとき…

最後の審判が、瑞穂の運命を変える…