翔「言ったらきっと楽になる。話してみたら?」

いやだ……

翔「な?」

そんな瞳をこっちに向けないで…

 ぽろっ…

翔「話してみな?」

あたしの目から、また一粒、二粒と、涙が零れた。

さっきとは違う涙…

その涙を見ると、櫻井翔はあたしの上からそっと降り…

 ぐいっ

あたしを布団の上に座らせた。

瑞「ふぅっ………うぅっ……………」ぽろぽろ…

さっきとは比べ物にならないほど、泣きながら、あたしは全て話した…

この独房で、ずっとあたしが思っていたこと……

伝えたかったこと…

全て……

聞き取りにくいはずなのに…

櫻井翔は、一字一句聞き逃してなくて…

聞き返してこなかった。

そこも、あたしにとって、なによりの救いだった。

全て話終えて、まだあたしが泣いていると…

 ぽんぽんっ

と、頭を軽く叩きながら…

 ぐいっ

と、櫻井翔の胸に引き寄せられ、抱きしめられた。

翔「つらかったな………泣け。我慢しなくていい。」

と言ってくれた。

優しかった…

温かかった…

その声を…

その温もりを…

ずっと聞きたかった…

ずっと触れたかった…