瑞「離して…………お願い………」

あたしの声からは気力がなくなり…………弱々しく独房に響く…

翔「いやだ」

そう言うと櫻井翔は、私を布団の上に突き飛ばした。

 ドサッ!

瑞「った………!」

布団と言っても、とても薄くてタオルのような厚さ。

床はコンクリート。

痛くないわけがない。

痛みでなかなか目を開けることが出来ないあたしの上に…

 どさっ…

瑞「ちょっ…………離してぇっ!!!!!!!」

櫻井翔が居た…

 パサッ…

帽子を脱ぎ、こちらを見てくる。

その瞳が今、前よりもはっきりと見える…

瑞「のいてっ!TABOOなんか犯さないっ!」

なんであたしがこんな目に…

瑞「なんであたしなの!?他にもあんたが好きな女なんているじゃない!」

すると…

翔「俺は…………ずっと見てた…………」

瑞「ぇ……………?」

翔「この独房の中で、何かを訴えているかのようなその瞳………」

 ドクンッ!

その言葉を聞いた瞬間…

あたしの心は大きく鳴った…

翔「“あたしは殺してない…信じて……”そんな瞳」

瑞「っ…………言わ………………ないで…………っ!」

翔「“あたしは殺してない!殺してないのに!!”」

瑞「言うなぁっ!!!!!!!!!!!!!!!!」

あたしは、大きな声で叫んだ。

この静かな独房の中で…。

その声は…

虚しく独房の中を響きわたる…

消えることのない…………………声……………………