二人の出会いは必然だったのだろうか?
単なる偶然だったのだろうか?
僕には、運命としか思えなかった。
君を初めて見たとき、こころが震えたから。


僕の人生を振り返ると、平凡を絵に書いたような
人生を歩んできた。
ごくごく平凡な家庭に生まれ、地元である
名古屋の小中学校を卒業した。
その後、自慢ではないが、中学時代、一時間も
勉強をしなかったおかげで、地元では、
誰でも入れると噂の高校にめでたく入学をする。

一流とも、三流とも言えない大学を卒業し
今の会社に就職をして、はや、10年が
過ぎ去ろうとしていたが、今も平凡である…。
おふくろからは、平凡が一番と言われ続け、
今はもう32歳なってしまった。

平成18年4月、僕は初めての転勤を言い渡された。
入社以来、東京

桜の咲き誇るころ、僕は転勤になったことで、
外回りが多くなった。
内勤ばかりだった僕には季節を肌で
感じられるので、外に出られるのが
とても、心地よかった。
もう一つ都合の良いことは
三ヶ月前に振られた彼女を
思い出す機会が減り、
失恋の痛みがまぎれること。
一日、パソコンに向かい仕事を
していると、やたらと彼女を思い出した。
メールを処理するたびに、彼女の
アドレスかと見間違うぐらい
仕事に支障をきたしていた。