この一瞬の間に何が起きたかというと…
またもやぼーっとしていたあたしは、向こう側から動いてきた『柔らかい大きな物体』と衝突してしまい、転びそうになっている。
幸いギリギリのところでバランスをとることが出来て転ばずには済んだ。
ここで尻餅を衝いてたらスッゴい恥ずかしい人になっちゃうから、良かったぁ…
とか呑気に思ってたら、大事なことに気が付いた。
『柔らかい大きな物体』って人だよね?
それ謝んなきゃいけないよね…?
と思い顔を上げたその時…
「え……」
おもわず漏れてしまった声。
だって、いま不機嫌そうな顔で目の前に立っているのは、
紛れもない“あの人”だったんだから…。

