教室に着くと、もう結構色んな人がいた。



あたしの席はどこだろう…?



周りをキョロキョロと見渡すと、思ったよりもすぐに見つけることができた。



あ、あった!



廊下側から2番目の1番後ろだ。



まぁまぁいい場所だなぁ。



由花は4列目の1番前みたい。



ちょっと離れちゃったな。



ま、でも同じクラスなんだしいつでも話せるし、いっか!



一人納得していると、



トントン、と肩を叩かれて反射的に振り向いた。


視線の先には爽やか系の男子。



かっこいいってきっとこういう人のことを言うんだろうなぁ。



そう思うくらい整った顔をしていた。



「俺、瀬川 康(せがわこう)。隣の席みたいだし、よろしく」



「あ、あたしは近野 咲良。こちらこそよろしくね」



第一印象ってだいじだよね!



そう思って笑顔で言った。





こんな、入学式ならどこででもありそうな会話。


でも、これが康との初めての出会いだった。