「ヤダ」 や、ヤダって……。 「だって、若葉、逃げるだろ?」 「……に、逃げないから……」 手、離して……お願いだから。 じゃないと、腕から熱が体中に伝わって倒れそう。 「じゃぁ、ちゃんとこっち向けよ? それが交換条件」 そう、優斗が言ったのと同時にわたしは強く引っ張られて、優斗の腕の中にすっぽり入ってしまった。