一応、陸上部だし? 逃げ足だけは速いはずなんだけど……。 「若葉っ!」 えっ? 瞬間的に腕を捕まれた。 今……若葉って……。 優斗の声が心に響く。 何で……こんなにドキドキしてんの……わたし。 「は、離してよ!」 優斗に背を向けたままうつむく。 掴まれてる腕が熱い。