「何が?」 「イルカの前から微動だに動かねーとこ」 ……そんなの、自覚してるって。 「昔も思ってたけどさ、見てて飽きねー?」 「飽きない」 「それがオレには……おっ、お前さ、こういうのもちゃんと見ろよ!」 イルカの水槽から離れて進むと、淡水魚が小さな水槽で泳いでいる。 「オレはこっちのほうがいいんだけどな」 目を輝かせて水槽を見つめる陽斗。