陽斗に連れて行かれた先。


そこは水族館だった。


子供のころ、よく優斗と陽斗の家族と来たところで、わたしの大好きなイルカがいる場所。


大きな水槽の中で流れるように泳ぐイルカたち。


水槽の上から差し込む光と深い藍のグラデーション。


希望の光に導かれるかのように泳ぐイルカを始めて見たときは、衝撃的だった。


見られてるのを知ってか知らぬか、愛くるしい目と表情でギリギリまで近づいて通りすぎるイルカをずっと見ていたのを思い出す。