わたしは優斗に我がままを聞いてもらってもう一度水族館に入った。


二人で静かに水槽に張り付いてイルカを見続けた。


優斗と一緒にいると落ち着くのかな……なんて思ってたけど、全然、落ち着かない。


何かドキドキする心臓の音が気になって落ち着いてイルカなんて見ていられない。


こんなに緊張してる自分を優斗に気づかれたくない。


そう思うと余計に隣にいる優斗の視線が気になって仕方がない。


下からチラッと優斗を覗き見る。


……だよね、イルカに夢中だよね。