男だらけのこのゼミに、紅一点の里沙。

ふわふわしてるとか、おっとりしてるのがかわいいとかで、大学内ではなかなかのモテ女。


まぁ確かに見た目はいいとしても、俺はコイツが嫌いだ。

その理由は……


「雄大く…んっ…ごめんね…」


すぐ泣くから。


まじでいい加減泣き止めよ…。


泣けば男が許すと思ってんだろ!

そんな俺は甘くねぇ!


「里沙、お前わざとだろ?」


「ち、違うっ…ヒック…」


ゼミの発表会が今度あるんだけど、それ用の資料を今、正に今、里沙が消した。


オールデリートなんて、どう考えても偶然なわけない。


ゼミに一度も出席したことのない俺は、発表会ぐらい手伝わないと単位がないと脅され、嫌々作業してたのに。