【短】涙弱男

「雄大くん…ごめん…あたし…っ」


「何が?」


気にせずまた歩き始めた俺。

でも、里沙はついてこない。


「雄大くん家が反対方向だなんて…知らなくて…」


ほら、嫌な予感的中。

仕方なく足を止めて振り返る。


「知らなくて当然だろ。俺言ってないし」


「でも…!ごめんね」


暗くて顔はハッキリ見えないけど、声が震えてるのは分かる。

はぁー…。


「けど俺、これは言ったよな?謝るの禁止」


「あっ、うん…」


「もう一つ。泣く女は大嫌い」


「……うん、聞いた」


俺が勝手にしたことで、里沙が謝るのも、泣くのもおかしいだろ。