【短】涙弱男

少しして、里沙が戻ってきた。


ううわ…唯一の長所であるはずの顔は、ビビるくらいかわいくない。

つーか、不細工。


しかもすでに目はウルウル。


「お前、もう絶対泣くなよ?」


「う、うん…ごべんね…っ」


……涙が流れてないだけで、それじゃ泣いてるのと変わんねぇよ。


「謝るのも禁止。もう聞き飽きた」


「ごめ…あ、ううん…何でもない」


またパソコンの前に座り、画面と向き合う里沙。

まじでそろそろ”手伝って”って言ってくるだろうな。


ジーッと見てると、案の定里沙も俺の方を見た。


「あの…もしよかったらなんだけど…」


はい、きた!

どうせ泣いて頼んでくるんだろ?


「パソコンの使い方教えてくれない?」