【短】涙弱男

俺の声に気付くと、すぐに振り返った。


そんな里沙の顔を見て、俺の顔は引き攣った。


あぁ…そうだよな…そうだった。


「ゆ、雄大くんっ…ヒック…何で…?」


涙で目を腫らし、その汁はもう涙なのか鼻水なのかヨダレなのかも分からない。


コイツ、最悪の泣き虫だった…。


嫌々近付いて、パソコンの画面を見て、更に俺は驚いた。

いや、引いた。


「お前…この何時間かかけて…一枚目だけ?」


パワーポイントの一枚目。

つまり、それは、表紙。


ひ、酷い…!


普通はタイトルと名前を入れて、デザインを変えるだけ。


日本語ではない文字の羅列と……

一体どっから出してきた…この奇妙なイラスト達。