「……なににやけてんだよ。気持ちわりぃ」 修が顔を思いっ切りしかめながら言った。 「にやけてないし」 言いながら、私は自転車の荷台に座る。 「ほら、行くよ」 「お前、なに偉そうに……」 そう言う修も、自転車のサドルに座る。 自転車をこぎだすと、涼しい風が頬に当たった。 蒸し暑い空気の中で風に当たるのが、あたしは好きだ。