だって



目の前にいたのは






紛れもなく



あの子だったから。







「どっ……どうしたのよ？



さっきと違う。





そんな事言われたら……




狂っちゃうじゃない……」




少し目を逸らしながら



顔を赤くして



呟いていた。







俺も思わず


顔を赤らめる。




「……なっ……



なんで戻って来てんの？」




変な空気になる前に



俺は断ち切ろうと



口を開いた。





心臓が落ちつくはずもなく



うるさく鳴るっている。











「忘れ物……したから



戻ってきたの」




「……忘れ物？」




「そう、ハイ。



コレ！



キミにあげようと思って」





そう言って



手に何かを持たされた。





「コレ……








手紙？」




「ん～……手紙というか



メモ。





家に帰ってから見るんだよ？」




「……幼稚園児じゃないから



そんな事いわれなくても



分かるっていうか





そんな大切な物なの？」