お父さんから聞いた。



お母さんはもういないんだって。





不思議だった。



何で?



何で……お母さんはいないの?って。




ずっと不思議に思ってた。



「お母さん、嬉梨はもう中学生になったよ」



そう言って


家を出た。




いつも



お母さんは



私と澪梨を




見守ってくれてるんだって




思ったら寂しくなかった。






涙も出なかったよ。




お母さん、私ね。



思うんだ。




生きててよかったって。