「――で、あるからにして…、」
退屈な数学の授業
後ろの席は弥生だけれど、弥生は真面目に授業を聞いている
となれば、選択は一つしかない。
寝よう
そう思い、うつ伏せになり、寝る準備をする
が、暑い。
暑すぎる
6月でこんなに暑いのだと、7月はどうなるのか
そんなことを思いながら、眠気には勝てず、夢の中へと入っていった
「琳、起きて。授業終わったよ」
弥生の声がする
私はまだ半分夢の中で、意識がはっきりしないまま弥生に言った
「私のカレーパン…」
「は?」
カレーパンが好きなわけではない
寧ろ、あまり好きではない
たた、夢の中でカレーパンを盗られて怒っている、という夢を見ただけだ
「んにゃ、なんでもない」
「そ。あ、今日五時間だからもう帰れるよ」
「え、なんで五時間なの?」
「さぁ、わかんないけど、ラッキーじゃん。遊びに行こーよ」
「…うん、いいよ」
多少気になるけれど、気にしても仕方ない
私は弥生と遊びに行くことにした
それから、なにもなく1ヶ月が過ぎた
夏休みが始まり、受験生ということで、やったことのない夏休みの宿題を一生懸命やっていた
弥生とプールに数回しか行っていない夏休みも、もう数日で終わろうとしていた
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