紫陽花のキミに。








「勉強なんか教える気ないし、教えてもらう派」








ハンッと笑う結衣。








意味わかんねー…







「カテキョじゃねぇじゃん」







何しにきたんだコイツは







「失礼な!私はちゃんとした家庭教師!」







だから、何の家庭教師だよ







「勉強できないのに無理だろ」






そう言い放つ俺に向かって結衣は言った。






「私はあんたの恋愛指導係!」






ビシッと人差し指をこちらに向ける







……恋愛指導係?







「何、それ」







「あんたがもたもたとして告白の一つもしないから、私があんたに恋愛のいろはをたたき込んで、積極的な男にかえるの!」







何なんだ…





さっきから意味わかんねぇよ






人の恋愛指導?







カテキョとかもうこじつけだし






しかも余計なお世話だし







自信満々なとこが意味わかんねぇし








「そんなカテキョいらない」







俺はぼそりと言った。







恋愛くらい俺の自由にさせろや…。