いや、でも、人違いかも。 ここ、7階だから、顔よく見えないですし。 「…………………。」 「……愛莉珠ちゃん? って、え!?」 私は気づいたら走りだしていた。 1階に向かって。 「ちょ、愛莉珠ちゃん、どうしたの!?」 綾井さんが追いかけてくる。 でも、今の私にはそんなことどうでもよかった。 とにかく、下で腕を絡み合っているのが遥様なのかを確かめたかった。