『優しくしてください。』




その水の音が止まる前に、
急いでワンピースを上から着て

ベッドの端に座る私。



(部屋に他人の音があるって
なんか変だなー)



洗面所の水の音。


ガタンッ、となにかを倒したような音。


「あー、眠い。」と言う彼の音。



なんだか心地いいソレに
いつのまにか、私は二度目の眠りに
ついてしまったらしく

起きた時には東條さんは
置き手紙を残していなくなっていた。



"無防備すぎですよー。"



そんな少しの文字が書かれた手紙を
胸にあてて、

ひとつ深呼吸。



(寂しい‥‥かも。)



1人きり。

部屋には私の音だけ。