「生レバーです」
それまで、生レバーといえば胡麻油に塩、或いはニンニク醤油又は生姜醤油でしか食したことのなかった私であったので、辛子醤油が出されたときには、
「なんじゃこりゃ!」
……と、松田優作ばりに心中がざわめいたものであった。
しかし、ひと口。
「……う、ま、い」
と、半ば絶句に近いスタンスで呟いてしまった。そこに理由は要らないのであった。旨いものは旨いのだ。
まず一発目でヤられ、あれよあれよという間にユートピアに導いてくれる。
年を重ねて、
「最近、お肉はちょっと」
という貴方、祇園暗がり通りの肉割烹をお探しあれ。決して損はないはず。
追記しておくと、たまに中条き○しや松方○樹、マ○ケンサンバや暴れん坊な将軍様でお馴染みの彼と逢える。タイミングが良ければ、というのはもちの論である。
