今回は番外編というか、残念な話を記さねばならない。
馴染みであったフレンチレストランが閉店するのである。
その店は鴨川沿いに位置する京都らしい町、先斗町(ぽんとちょう)にある。
筆者がホストペイペイの十代の頃、当時のエース(一番の太客)に連れていってもらった店で、今年で開店三十一年を数える。
先日も久々予約なしにお邪魔したのだが、鴨の旨さに舌鼓を打ったものである。
しかし、一緒に行った母がトイレより戻って一言、
「一月いっぱいで閉店するんやて」
その時の衝撃や哀しみは言葉に表すことなどできない。
筆者にとりその店は、肩肘を張らずに気軽に行ける数少ないフレンチレストランであり、困ったときの神頼み的な店でもあったからだ。
