一週間前―… 「俺、香織(かおり)が好きだ。付き合ってください」 大和に、告白された。 大和とは、下の名前で呼び合うくらい、仲が良かった。 でも、恋愛対象で見たことは、一度もない。 「えっと…」 だから、断ろうと思った。 「頼む。試しでいいから、俺と付き合って」 拝むみたいに、頭を下げられる。 こういうのは、苦手だ。 人から頼まれて、断るのは、苦手だ。 「わかった」 だからなのかもしれない。 わたしは、頷いてしまった。