今日、僕は初めて
“幼馴染み”という関係を恨んだ。
どんなに会いたくなくても
“幼馴染み”は
こうして毎日顔を合わせなくちゃいけない。
あーぁ。
やっぱり、今年の僕はツイてないや。
溜め息を吐き出して
お互い、口を開く事もないまま
もうすぐ学校に着く直前の道で
樹里が突然話を切り出した。
「…なぁたん、怒って、るのー…?」
「…別に怒ってないよ。」
「…嘘つきー…。」
「嘘なんか付いてないって。」
「…嘘、だもんー…。」
「だから、嘘じゃないっての。」
「じゃあー…。」
その言葉に
樹里の足音が止まって
僕も足を止める。
「…じゃあ、どうして今日、起こして、くれなかったのー…?」

