そんな母さんの職業は、オレにはよく分からないけど、空間デザイナーらしい。
何年か前に自宅マンションの隣の部屋に小さな事務所を構えて、そこで仕事をしている。
従業員は3人、肩書きは社長だった。
社長というと響きはいいが、毎日のように『現場』を飛び回り、それが終わると事務所で仕事をしている。
おまけに、その現場とやらでは、ヘルメットを被っているそうだ。
実際、煤だらけの顔でヘルメットを取るのも忘れて帰宅したのを何度か見たことがある。
その姿は、空間デザイナーというより、工事現場のおっちゃんという表現が正しく思える。
それでも女手一つで、家族と従業員を養っているのだから、かっこいいと思うし、自慢の母親だった。
