チャイムが聞こえなくなって

顔をあげれば目があって


どうしよう



ぎゅっと手を握りしめて
野恵くんの反応を待つ


『今日、夜、電話していい?』


「でん、わ?」


『今日部活あって…6時くらい、大丈夫?』


立ち上がって
見つめあったまま

首を小さく
たてに振る





『いま返事したいんだけど、言いたいこといっぱいあるから…』


「はい…っ」



ばいばいって手を振りながら
帰っていく野恵くんは



ほんとに誰よりもかっこよくて



胸が


苦しかった