「ゆいー!おはよ。」



「渚おはよー!」




宮本渚(なぎさ)は、黒髪のロングヘアがよく似合う、美人でサバサバしてる女の子。



短いポニーテールを跳ねさせながら、いつも元気によく喋る美和とは正反対かな。





「さっきのお母さん?若いねー。」



「そう!ユーモラスな料理作るうちのお母さん!へへ。」



「てゆーか美人!ゆいが可愛くなるわけだ。」



「また渚は私をからかう!」



「からかってなーい。それより昨日の塾はどうだった?先生といっぱい話せた?」



「んー?それがね…」





私は学校に向かう電車の中で昨日の話をした。




美和の前では先生の話はできないけど、渚と絵里奈には何でも話せる。





渚と美和と私は中学から同じだけど、絵里奈は高校から一緒で仲良くなった。




絵里奈の第一印象は、ただのギャル。



でも、中身は想像してたのと全然違った。




テストの順位は毎回学年で上から3番以内に入るし、無遅刻無欠席のしっかり者で生徒会の副会長なんか務めちゃってる。



私たちが通うK丘高校で、倉持絵里奈を知らない人はいないんじゃないかなって思う。