「いってきます、お父さん!」



「留守番頼むね、一騎(いっき)!」





朝はいつもお母さんと一緒に家を出る。



そしてお父さんの話をしながら駅まで歩く。




それが、お母さんと私の日課。





「お父さん、留守番なんてしないで絶対お母さんの職場までついてくよ!」



「あはは!でも一騎はゆい溺愛だから、学校についてくかもよ?」



「どっちにしろ、留守番はしてくれそうにないね!」



「うん。たしかに。ふふ。」





お母さんがお父さんのこと考えながら笑ってるのを見てるのって、すごく幸せだなって毎朝思う。



お父さん、見てくれてるかな。





「じゃあ、お母さんお仕事頑張ってね!」



「おう!ゆいも学校ガンバレ!授業中はいっぱい寝とけ!」



「あはは、ゆいは寝ませんよー!」




お母さんに手を振って、改札口の前で渚を待つ。



それにしても、今日暑い!体育やだなぁ。