ハアッ・・・ハアッ・・・ 森の中では、息の切れる音と土を踏む音しか聞こえない。 「クソッ・・・」 今、森にいるのはこの青年だけではない。 もう〝一人”いる。 「うあっ・・・も・・・無理だ・・・」 体力の限界・・・ もう、つかまろう。 そう思うと精神にも限界が来ていたのか。 青年は気を失ってしまった。