「…香帆……どうした?」
久しぶりに聞く
あなたの優しい声に
涙が出そうになったのを
必死で堪えて言った。
「…今日は話があってきたの。」
「じゃあどっか店行こっか…」
「私、拓の事、ちゃんと好きだったよ?」
拓の言葉を無視して
私は言った。
今、今じゃなきゃ
また言えなくなっちゃうような気がしたから。
「香帆…おれ」
「それだけっ!!…それだけ…伝えたかったの、じゃあ行くね!」
拓の言葉を聞く前に、
私は走り出した。
「香帆!!」
拓が…そんな優しい声で
私の名前を呼ぶから。
私はつい、足を止めて
振り返ってしまったんだ。

