「何ですか?」
さっきから、一言ことも喋らなかったチャラ男の友達が口を開いた。
「奢るから一緒に行ってくれん?」
…はぁぁぁあ?
"奢るから"って私達をお金で釣ってるし。
こんなんでつられる訳ないでしょ…
「いこ?千…」
帰ろうと千夏に言おうとした時、
「ちょっとだけなら」
「…………」
ん??
千夏??
今行こうと言いました?
私彼氏いますよ?
「やったぁぁあ☆じゃあ名前教えて?」
軽すぎでしょ…
私は、千夏を呼び出して小声で聞いた。
((何で誘いにのったの?!私彼氏いるよ?絶対に行かないからね!!))
ありったけの不満を千夏にぶつけた。
((ご、ごめん!別に暇だし、奢ってくれんなら…って思って…))
((だからって…私は今すぐ帰るからねっ!))
こうやって私達が話している間も、チャラ男は嬉しそうな顔をして待っていた。
大樹を裏切ることはできないよ…
「ってことで、私は帰るので」
こんなことに付き合っている暇はない。
「ちょっと待って…!」
後ろで千夏の声がしたけど、聞こえないふりをして帰ろうとした。
千夏には悪いけど、しょうがないよね?
